鉛筆デッサンで白いものを描くとき、『白い物だから、明るい面は白く残そう』と明るいところを広く真っ白なまま描き進め、終わってみると質感・立体感が弱く、存在感まで薄くなっている…。こうならないためには、どうするのが良いのでしょう?

(これからときどき、生徒さんからの疑問・質問にお答えする記事を書いていけたらと思っています。気まぐれなので頻度は低いかもしれませんが、痒い所に手が届く記事を目指します…!)

結論から言うと、白いもの(色の薄いもの)を描くときでも、明るい面に色をのせることを避けてはいけません。そこにもちゃんと、質感や明度の差があるからです。

こちらの野球ボールのデッサンを見てみましょう。

恐らく合皮のボールですが、広い範囲で明るい面を塗り残していることで、固さや手触りなどを想像しにくく、質感が曖昧になっています。

上面の回り込み部分では、色をのせていないことで、輪郭線を描かなければ形が見えず、平面的になっています。白さが出せてもモチーフの特徴が弱くなってしまっては、良いデッサンとは言えません。

明度の高いところもしっかり描きこもう

今度は明るい面にも薄っすらと調子をつけているデッサンです。光が少し映っている様子まで描き込めるので、微妙に艶があるんだなと分かります。先ほどの絵で輪郭線を描いていたところは面として見えるようになり、奥へ回り込んでいく感じが分かります。
明るい面に色がのると、影の濃さとの差が近くなってしまうので、真ん中の一番暗い影の面も一枚目より暗くなっているのは気を付けたいポイントです。

とはいえ、白いモチーフですから、ゴリゴリ塗れば良いということでもありません。筆圧を軽くして、薄く綺麗な調子をつけられるように、優しく色を重ねていきましょう!

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